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2013年09月25日
◎東京五輪開催は円高要因?

< 五輪開催と為替の関係は? >

先週の当コーナーでレポートしたように、20年の夏季オリンピック開催地が東京に決定した。

勝利を喜ぶ余韻もそこそこに、金融市場ではオリンピックと為替相場の関係について様々な観測が飛び始めた。果たして20年のオリンピック開催国通貨の日本円は上がるだろうか、それとも下がるのだろうか。筆者が過去の動静を調べてみた。

< 逆に円安材料との観測も >

それによると、たとえば16年にリオデジャネイロ大会が実施されるブラジルの通貨レアルは堅調に推移しており、対ドルでは開催決定から一年で5%を超える上昇をたどっている。また、00年にシドニー大会が開催された豪州では同じ期間の動きを調べてみると、豪ドル/ドルはレアル/ドルを上回る大きな上昇が観測されていた。

これは開催に向けた国内のインフラ整備にともなう様々なビッグビジネスを狙い、世界各国の投機マネーが開催国に流れ込んだためで、日本においても同様の事象から円高要因として注意する必要があるだろう。

しかし、今回の日本においては逆にオリンピック効果は限定的に留まる可能性も取り沙汰されている。
前述した直接・間接取り混ぜてのインフラ投資は、いわゆる開発途上国や新興国が主であり、先進国においてはあまり適応されないとの考えからだ。日本の場合、競技会場の建設ラッシュなどに湧く新興国などとは一線を画す状況であることからすると、流入する海外からの資金は確かに限られるかも知れない。

また、仮に日本への資金流入があったとしても、それが間接投資に留まり、株価が上がれば「リスク回避志向」の動きから為替は逆に円安が進行する可能性もないではない。(了)



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