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2013年09月18日
◎20年夏季五輪が東京に!

< 直前の票読みはマドリード優勢? >

日本時間の8日未明、20年に実施される夏季オリンピックの開催地が東京と決定した。

以前から「東京が有利」や「東京優勢」との報道が少なくなかったが、今月4日にスペイン紙エルムンドが「マドリードがIOC委員の半分以上に当たる50人(投票権を持たない委員を除く)からの支持を得た」と報じるなど、直前になりマドリード有利との報道も数多く目にしただけに、逆転勝ちと言える結果なのかも知れない。

< 経済効果は3兆円?景気浮揚の起爆剤期待 >

前述したように、終盤にかけて東京が不利に陥った最大の理由は「福島第1原発の汚染水流出」とされるが、それと互角程度懸念されている問題が実は存在した。それは猪瀬東京都知事のイスラム諸国批判に続く、麻生財務相が発した「ナチス発言」だ。

ご存じの方もいるように、強力な発言権を有する欧州系のIOC委員などにはユダヤ系の人物が多い。したがって、「ナチス」という言葉に関する嫌悪感がただでさえ強い。今回はそれに「イスラム諸国は互いにけんかばかりしている」と述べた猪瀬都知事の失言が加わっているのだから、実際の投票で欧州系委員などを中心に「失言の多い東京」を回避した行動に動くことも水面下で懸念されていたのだという。

しかし、結果は嬉しい誤算で東京開催が決定した。複数メディアで報じられているように、最終プレゼンなどにおける巻き返しが見事で功を奏したことは間違いない。

さて、そんなオリンピックの経済効果は東京都の試算で3兆円を超えるとも言われている。アベノミクスの効果も急速に薄れつつあるなかだけに、景気浮揚の起爆剤として様々な動静に注意を要したい。(了)



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