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2013年08月28日
◎TPP交渉参加と為替相場

< 円安or円高どちらの要因か >

日本によるTPP交渉参加がマーケットで話題を集め始めた。
その影響はなかなか読みにくいようで、ストラテジストなどプロのあいだでも「円安」方向への影響を指摘する向きもあれば、「円高」に動くことを懸念する声もある。

< 動静見極めしっかり対応も >

ストラテジストのあいだでは、「米国がこれまでのドル高・円安を容認してきたのは、日本の構造改革期待とTPP参加があったから」との見方が有力視されている。したがって、交渉が順調なまま進展すれば米国サイドは引き続き円安を容認する公算が大きい。

さらに、「円安容認」云々を抜きにしても、TPP参加により海外勢の認識が如何にも保守的で旧態依然といったものから、日本経済の体質改善になる前向きにとらえられれば、やはり円安要因となりかねない。なお、ジョージ・ソロス氏をはじめとするヘッジファンド界の雄たちは、期待を込めた円安戦略をすでに取り始めたとの指摘も複数ウォッチャーのあいだで取り沙汰されている。

しかし、同じ政治的側面から逆の円高に振れると考えられる要因も2つ挙げられている。

ひとつは「米国が自国有利な貿易障壁などを示した場合、それを跳ね付けると海外から円高圧力がかけられる危険性がある」(外資系ストラテジスト)ことで、もうひとつは「聖域とされる農業分野などを守り切れず屈した場合、内閣支持率が低下しかねない」(同)ことだ。後者については、単純に為替の問題というより株式などを含めた金融市場全体へのダメージも懸念されよう。

現段階で円安か円高か判断することは非常に難しいだけに決め打ちはせず、どっしり構え臨機応変な対応で臨みたい。(了)



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