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2013年08月14日
◎「円高有利」な8月相場

< 米雇用統計失望も後押し >

為替市場において円がやや小高く推移している。先週末に発表された米雇用統計が期待外れの結果に終わったことで失望を誘っている感を否めない。

さて、そんな足もとの8月相場は、経験則からみて「圧倒的な円高有利」ということが一般的にもよく知られている。果たして、今年の8月も経験則通り、円高有利の展開となるのだろうか。

< ただ値幅は意外に限定的? >

まずは、8月のドル/円相場について90年以降昨年まで23年間の勝敗を調べてみると8勝15敗、およそ3回に2回はドル安・円高に振れていることが見て取れる。それも、比較的近年にそのパターンが多く、09年以降11年までの3年連続を含め、直近15年では実に12回がドル安・円高となっていた。

また、こうした「円高有利」な状況はドル/円だけでなく、一部のクロス円についても見て取れる。一例としてユーロ/円を挙げると、直近の07年以降11年までの5年連続を始め、00年以降の13年間では10回で円高が進行していた。
言い過ぎを覚悟でいえば、8月は経験則に見て円が全面高の展開をたどる可能性が高い月であるとも言えそうだ。

しかし、8月相場を別の視点から調べてみると、意外なことに月間を通した値幅そのものはさほど大きくはないことが分かった。紙幅の関係もあり、一例を挙げるに留めるが、昨年は月間変動幅1.76円でなんと年間最下位に終わっている。

8月は投機筋などのほか、本邦勢もサマーバカンス取得や盆休みなどでいわゆる夏枯れ相場に陥りやすい。流動性の低下から荒っぽい価格変動にももちろん注意を要するが、経験則からすると実はその可能性が低いのかも知れない。(了)



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