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2013年08月07日
◎注目される今秋実施の独選挙

< 豪州の選挙も要注意 >

重要だった日本の参院選が終了し、いわゆる「捩じれ」状態が改善されたことは周知のことだが、目を海外へと向けると今秋に豪州とドイツで、やはりそれぞれ重要な選挙が控えている。そこで当稿では、ドイツの選挙について状況や見通しとともに、選挙の結果を受けた相場の動きについて以下で考察してみたい。

< ユーロの悪材料となる可能性も? >

ドイツでは9月22日に連邦議会(下院)選挙が実施される予定となっている。

これまでに発表された世論調査を勘案するとメルケル首相が所属するキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)には厳しい戦いとなりそうだ。単体でもさることながら、連立与党を組む自由民主党(FDP)の支持率はさらに低迷しており、現行の連立与党が過半数の議席を確保できるかは難しい。

そうしたなか、今年の5月くらいまではメルケル政権が交代する危険性が取り沙汰されており、それにともないEU内で主導権を握りたいフランスのオランダ大統領が「5月23日にドイツ最大野党である社会民主党(SPD)の会合に参加し共闘を呼び掛けた」---との報道も観測されていた。

しかし、現在では政権交代の可能性は低いとされ、最悪のケースは回避されそうだ。とは言え、現行の連立与党で過半数を超えられないとなると、3党以上によるいわゆる「大連立」を組むことになり、その場合には政策面での譲歩は必須となる。結果、メルケル首相の求心力低下は避けられそうにない。

改めて指摘するまでもなく、ドイツはユーロ圏の中心国だ。そのドイツ国内でゴタゴタが発生すれば、間違いなくいずれユーロ圏諸国へと何らかの形で伝播し、ユーロ相場に対しても悪影響を与えかねないのかも知れない。(了)



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