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2013年07月10日
◎韓国にも「経済危機」説

< 通貨スワップ期限切れで >

いわゆる「影の銀行(シャドー・バンキング)」問題に端を発した中国の経済危機が金融市場で取り沙汰されている。

その一方で、韓国に関する経済危機も一部で話題になっているようだ。背景となっているのは今月3日に期限切れとなる日韓通貨スワップが延長されなかったこと。金融市場のみならず、韓国国内の経済界などでも懸念の声が聞かれているという。

< 信用リスクの低下は不可避 >

日韓通貨スワップとは仮に通貨危機に陥った際、互いに通貨を融通し合う制度のこと。日本と韓国は05年に初めてこの協定を結んだ。ただ、日本は戦後通貨危機に陥ったことは一度もなく、事実上は韓国の救済を想定した制度と言ってもよいだろう。民主党政権時の11年には700億ドルという金額にまで一時拡大したこともあるが、竹島など様々な問題発生で日韓間の対立が強まってきたこともあり、昨年10月には30億ドルへと減額され、それが先にも記したように今月3日で期限切れとなることが確定した。

日韓通貨スワップ協定の期限が切れても、スグにどうこうという話ではない。ないが、これまで協定が韓国ウォンの安定に寄与してきたことは間違いなく、期限切れにともなう信用リスクの低下はまず確実だ。外国資本が韓国から流出する危険性なども取り沙汰されている。また、97年のアジア通貨危機、08年のリーマン・ショックというような今後起こりうる最悪の事態を勘案した場合、大きな不安が残り、実際に韓国経済が大打撃を受ける可能性も否定できない。

しかし、「チェンマイ・イニシアティブ」のもとで、日韓間には別に100億ドル分の通貨スワップが存在し、そちらは維持されることで、それほど大きな懸案にはならないとの見方もあるようだ。(了)



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