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2013年07月03日
◎輸出は為替予約取り遅れ?
< 市場筋のあいたで話題に >
24日付の日経新聞では、「環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で為替相場も俎上に載る」との憶測が浮上し、日本政府が打ち消しに躍起になっていると報じられていた。
為替市場ではそんな出所不明の噂や憶測が色々と囁かれるモノだが、ここ最近一部関係者のあいだでは多くの輸出企業が為替予約を取り遅れているとの指摘が広がっている。
< ドル戻りを抑制する要因に >
昨年9月の77円台から一本調子のドル上昇が続くと、ドル/円相場は一時高値103.73円を示現するような展開をたどっていたにもかかわらず、輸出企業が為替予約を取り遅れているというのは一体どうしてなのか。
一連のドル戻り局面で断続的な為替予約を実施した結果、95円手前でかなりの予約が進み、一部はオーバーヘッジに陥る先もあったとされる。つまり、取り過ぎる先もあるほど下値で為替予約を進めたわけだが、その結果として思ったほどの為替差益を得ることが出来なかった。これを3月末決算と絡めて、現場の対応ミスとして叱責された企業もあったという。
したがって、財務部などの担当現場としては1ドルが100円を超えているような状況下でも積極的な為替対応に及び腰。実際に予約を手控えるなか、ドル/円はあれよあれよという間に90円台へと急反落した。そのなかで、かつては進み過ぎていた予約が一転して遅れ気味になってきた先もあるのだという。
自動車大手の日産やホンダをはじめ、多くの企業がドル/円の社内想定レートを95円と設定するなか、このまま円高がさらに進行すれば、為替差益どころか再び為替差損を被りかねない。ドルの戻りは着実に抑えに来るとの見方も根強く、輸出が上値を重くする一因になる要因として警戒する向きも少なくない。(了)
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