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2013年06月26日
◎囁かれ始めたユーロ安リスク

< 気掛かりなEU首脳会談 >

足もとの6月に実施されるEU首脳会議がユーロのリスク要因としてクローズアップされてきた。すでに兆しがうかがえるフランスとドイツの亀裂がEU首脳会議で鮮明化されるようだと、これまで積み上げてきたユーロロングの解消売りが加速する危険性もありそうだ。

< 主導権争いで独仏に亀裂 >

ドル/円以上に一本調子の上昇が続いてきたユーロ/円に最近調整の動きが入っているが、一部からは単なる調整ではなく再びユーロ安が進行しかねないとの見方が徐々に聞かれ始めた。その背景に挙げられているのが今月27〜28日にブリュッセルで実施される予定のEU首脳会談だ。

先月16日、フランスのオランド大統領が「ユーロ圏は新しい統合段階に入るべき」などと発言し、現在は各国が決定権を握る財政政策をEUに集約する構想を明らかにした。この提案について6月のEU首脳会談で話し合いがなされる予定だが、作業の工程表を含め具体策はまだ見えていない。会談で本当に進展がなされるのかどうか強い不透明感が漂っている。

何故かと言うと、EU内の主導権を握りたいフランスとドイツが激しい鍔迫り合いを演じているためで、その裏には今年9月に実施されるドイツ総選挙に絡む諸事情が見え隠れしている。

フランスがすでに選挙後をにらみ動き始めている反面、ドイツは「与党が劣勢とされる9月の総選挙に向けて弱腰と見られる安易な妥協をしたくない」との判断が働き易い。これではまとまるものも、簡単にはまとまらない。

下手に不安を煽ることはしたくないが、ここまでのユーロ高は意外に脆い安定のもとに成り立っていると頭の片隅に留めておいて損はないかも知れない。(了)



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