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2013年04月03日
◎安倍政権と為替の関係

< 就任後2ケタの円安進行 >

安倍晋三氏が首相に就任して以降だけで為替(ドル/円相場)は12%もの円安が進行しているほか、日経平均株価もやはり10%を超える上昇をたどっている。通称「アベノミクス」と呼ばれる、デフレと円高からの脱却、名目3パーセント以上の経済成長の達成などを謳った安倍首相の政策がここまでは功を奏していることは間違いない。

< 誕生の経緯は橋本内閣酷似 >

長期のチャートを見てもらえば一目瞭然であるように、変動相場制以降の為替市場は大雑把に言って「円高の歴史」と言ってよい。したがって、筆者が歴代首相と為替相場の変遷を調べてみたところ、ある意味では当然なのだが就任後退任までの在任期間中、為替市場がドル高・円安に振れたという歴代首相はそれほど多くない。

そうしたなか、やや興味深いのは在任期間中のドル上昇率36%の歴代ダントツ1位を誇る橋本龍太郎内閣と今回の安倍内閣が似たような経緯で誕生していることだ。

以下で橋本内閣誕生を簡単に振り返ってみると、いわゆる自民党の「55年体制」が崩壊し、非自民体制による細川、羽田氏による連立内閣が誕生したものの、一年持たずに瓦解。そこで自民党が与党に復活したが、まずは社会党(当時)の村山富市氏を担いでの連立政権が発足。橋本内閣はその流れを継いたもので、自民党単独での復活政権になる。つまり誤解を恐れずに言えば、橋本内閣は「自民党以外の政権野党の失敗」を受けて誕生した「自民党政権による内閣」だったわけだ。

もちろん、橋本内閣と今回の安倍内閣誕生の経緯が似ているからといって、為替や金融市場が当時と同じような展開をたどるとは限らない。とは言え、筆者もいち参加者として、密かな期待を抱いている。(了)



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