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2012年12月12日
◎期待外れのユーロ/ドル

< 今年、誕生以来の最少変動 >

当コーナーで筆者がたびたび取り上げている分析法のひとつに「年間変動率」というものがある。

詳細は省くが、それからするとドル/円だけでなくユーロ/ドルやユーロ/円といった主要通貨は、一年間におよそ17−18%変動することが平均となっていることだけは基礎知識として指摘しておく。

< 年末に掛けユーロ波乱も? >

さて、前述した3通貨ペアについて、年初来十一ヵ月間の変動率を調べたところ、ドル/円が10.6%、ユーロ/ドルは11.2%、ユーロ/円は17.4%になった。もちろん、今年も残り一ヵ月を残しているものの、「合格点」を記録しているのはユーロ/円だけだったわけだ。

別途レポートしているように、ドル/円については4年に一度実施される米大統領選の実施年の変動は「例年よりも小さくなる」ことが知られており、そうした意味では小動きは織り込み済みかもしれないが、問題はユーロ/ドルだ。改めて指摘するまでもなく、ギリシャやスペインの財政不安などユーロ相場に直接関与しそうな問題が多数噴出しているにもかかわらずの小動きで正直予想外と言ってよいのではなかろうか。

なお、ユーロ/ドルの今年ここまでの変動率11.2%はユーロが誕生した99年以降で年間の最小変動幅。もう少し言えば、前身と目されるユーロ/円時代を考慮しても90年以降で3番目にあたる小変動になる。このままの小変動で今年12年を終えるのかどうかが注目されるところだろう。

新聞などでも「安倍トレード」といった言葉が取り沙汰されるように、11月の為替市場は円絡みの動意が目立ったものの、今月はヒョッとすると脚光が再びユーロに当たることになるかも知れない。(了))



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