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2012年12月05日
◎ドル急伸は見込みにくい

< 年初来高値が視野に >

「米感謝祭前後の相場は荒れ易い」---などとした筆者の予想したタイミングよりも幾分早いが、ドル/円相場が動意の兆しを見せている。先日年初来高値84.17円を起点とした下げ幅の61.8%戻しにあたる81円半ばを抜けたため、フィボナッチの観点では時間を要しつつ100%戻し達成の可能性を否定出来なくなった。

そんなドル/円相場の見通しについて、当欄でもたびたび活用している「取引の価格分布帯」の観点から以下で考えてみたい。

< 76−84円台は取引多く居心地良い >

紙幅の関係もあるので「取引の価格分布帯」の詳しい説明は省くが、過去に「取引の多かった価格帯」はレジスタンスやサポートなどの節目になり易く抜けることが容易でない反面、「取引の少なかった価格帯」はあまり長期間留まることが予想し難くアッサリと抜ける傾向がうかがえることは頭に入れておいていただきたい。

それを踏まえてドル/円相場を見てみると、76−84円台はいずれも過去の取引が多いゾーンに当たる。振り返れば今年の相場は78−80円台を中心に、ここまで前述した過去の取引の多いゾーンにすっぽり収まっていることが分かる。後講釈になるけれども、「価格分布帯」の観点からすると動かない・動きの鈍いことはある意味当然だったのかも知れない。

一方、相場の先行きを考えてみると、先のような状況から今後も上下とも正直大きく動く展開は見込みにくい。しかしながら、年初来高値を更新して85円台を回復した場合はこの限りではない。85−88円台は過去に取引が少ないゾーンだけに、しっかり乗せれば一気にドル高・円安が進行するリスクもありそうだ。(了)



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