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2012年11月07日
◎日銀による外債購入

< 円安増長要因として注視 >

先週の『ソフトバンクによるM&A手当て』に続いて、マーケット需給的な話をもうひとつ取り上げてみたい。それは『日銀による外債購入』で、いまスグではないものの将来的には円安を招く要因として注視する向き、とくに海外勢には少なくないようだ。

< 日銀法改正の必要、実現は困難か? >

今月5日に実施された日銀の金融政策決定会合に政府代表として出席した前原経財相は、日銀に対して「外国債券の購入を改めて主張した」と報じられている。それに対して、白川日銀総裁は「日銀法では外債購入が認められていない」と述べたという。

また、この件については、先日日本で実施されたIMF・世銀総会に関連した討論会でも話題となり、著名エコノミストのルービニNY大教授が白川総裁に対して質問を投げ掛けたとされる。

日銀による「次の一手」として市場の関心が高まっていることは確かだし、先にも記したように前原氏など政治サイドから積極的なアプローチが目立つ。一部通信社による報道では、外債購入のために日銀法改正も検討するとまで報じられている。実現すれば、年間数兆円単位の円売り需給が発生する可能性もある。

もちろん、そうした可能性を100%否定できるものではないが、日本の通貨当局による円売り介入について条件付きながら容認的なスタンスを示す篠原IMF専務理事でさえ「日銀による外債購入は継続的な為替市場への介入につながりかねない」として否定的な見解を示すなど、国際的な反発の強いことが実現に向けての大きいネックと言えよう。海外を説得することは困難で、実現するまでの道のりは決して平たんではない。むしろ、途中で頓挫する公算が大きいのではないだろうか。(了)



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