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2012年10月10日
◎ドル/円の長期見通し

< 長期ボトムは示現済み? >

ドルの下値基盤は脆弱でなかなか底値が見えない。

しかし、一部市場筋のあいだでは「ドル/円相場はすでに長期のボトムを達成している」---などとする指摘も聞かれている。もちろん、これは一定の根拠があってのものであり、仮に大底をまだ打っていないにしても、足もとのレベルがドルの大底圏にあることは確かと考えられる。

< 価格、日柄ともに達成か >

筆者も過去に何度が報じているように、ドル/円の長期波動には大きく「2つのパターン」が見て取れる。簡単にまとめておくと、「ドルは高値から約50%下落したレベルで底を打つ」と「超長期では16年サイクルが存在する」の2つになる。

うち、前者については今回の一連のドル下落が始まった起点は98年の147.64円であり、そのレベルに前述した経験則を照らし合わせれば、大雑把に72−73円がドルの下値メドとなる。それに対して、ここまでに記録している戦後最安値75.53円では若干物足りないものの、それでも前記した高値からは48%を超える下落をたどっている。すでに一定のメドは達成済みで底値圏にあると言って良さそうだ。

また、後者の長期サイクルは、前回安値95年4月が起点と推測される。波動が非常に超長期であるため、若干の誤差が生じても不思議はないが、順当にいけば昨11年が16年目のサイクルボトムに当たる年だった。そして、ドル/円の実勢相場は11年の10月末に前段で指摘したドル安値75.53円を記録している。

つまり、足もとのドルは冴えないが「サイクルボトムの最終局面に差し掛かっている」のではなく、すでに16年周期のボトムを達成済みで、新たなドル上昇サイクルに入っている可能性もある。(了)



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