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2012年10月03日
◎三度高まる円売り介入観測

< 13日にレートチェックも >

政府・財務省による円売り市場介入に対する警戒感が再び高まってきた。

「衆院をいつ解散するか分からない政治情勢が不安定な状況下、当局も動きにくい」---などとする声も聞かれるが、今月13日の欧米タイムに「日銀がレートチェックを行った」こともあり、逆に予断は許さないとの指摘もある。とくに欧米勢のあいだでは、当局が近々介入を実施するだろう、との警戒感が強いようだ。もちろん、実施するにはレベルやスピードといった問題はあるものの、着々と準備が進みつつある感も否めない。

< IMFからは「お墨付き」 >

政府・財務省による市場介入に関する話は、以前の当コーナーでも筆者は一度触れている。その際には3つの理由を挙げ、なかでも「日本の介入に対する海外勢の理解度の変化」の意義が大きいと指摘していた。

そして振り返ってみると、今年7月のラガルドIMF(国際通貨基金)専務理事に続き、今月13日に同じIMFの篠原副専務理事が「為替相場が過度に変動したときは各国の介入もあり得る。それに異議を申し立てないのがIMFのスタンス」と述べ、条件付きながらやはり市場介入容認の姿勢を示している。篠原氏から「お墨付き」を改めて手に入れたことが、前段で記した同日欧米タイムにおける当局のレートチェックに繋がっていた面もありそうだ。

それに加えて、「筆者が前回レポートを書いたレベルより、一時ドル安・円高が進行」「9月中間期末を前にした輸出企業救済のため」「日銀が追加金融緩和に踏み切った」---ことなども市場介入実施の追い風となる可能性がある。今後円高が進行すれば、いつ市場介入に踏み切ってもおかしくはない状況にあるのかも知れない。(了)



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