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2012年09月12日
◎広がるアジアの地政学リスク
< 円高に歯止めをかける可能性も? >
為替市場では、日本の政局とともにアジアの経済・地政学リスクが取り沙汰始めた。当事者である日本人以上に海外勢に懸念を抱く向きが多い。
そうしたなか、アジア地政学リスクにおける中心的存在の「日中韓をめぐる様々な軋轢」がこれまで進行してきた「安全資産としての円高」に歯止めを掛けかねないとの指摘も一部海外投機筋から聞かれている。
< 日中韓めぐる軋轢顕著に >
竹島や尖閣諸島をめぐり、日中あるいは日韓による領土問題が顕在化しており、現在も激しい鍔迫り合いとなっている。また、韓国においては天皇陛下に対する非礼発言を受けた親書をめぐる一連の騒動、対して中国においては丹羽中国大使の車両が襲われ日本国旗が持ち去られるという事件や、各地で反日デモが相次いでいる。
対中、対韓に対する国民感情悪化は避けられず、とくに韓国については通貨スワップ協定の見直し問題に直面しているほか、9月にロシアのウラジオストクで開催されるAPEC閣僚会議における日韓首脳会談が見送られることになった。解決の糸口がなかなか見つからないまま、現在のような「冷戦」が続ければ両国間だけでなく、米国なども巻き込んだ大規模な紛争に繋がりかねない。
一方、日中韓における地政学リスクは経済面でも指摘されている。背景にあるのは先に指摘した領土問題などを受けた外交関係の悪化だが、それ以外のファクターもある。
中韓ともに一例を挙げると、中国においては国内の不動産バブル崩壊であり、それに対する韓国ではサムソン電子による米アップルの特許侵害評決を受けた株価急落などが挙げられる。金融市場における影響のさらなる広がりを懸念する声も決して少なくない。(了)
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