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2012年08月29日
◎購買力平価で見た円相場

< ビッグマック指数など参考 >

通貨の価値を見極める方法のひとつに、購買力平価というものがある。そんな購買力平価をきちんと考えると非常に難しいものだが、お手軽な分析方法も幾つかある。

そのもっとも身近で判りやすいものと言えばマクドナルドで販売されているビッグマックを参考にした「ビッグマック指数」になるだろう。以下では「お手軽な購買力平価」を使った分析を2つ紹介してみたい。

< 対ユーロで円は安過ぎる? >

まずは実際のビッグマック価格を調べてみると、米国の4.07ドルに対し、日本の価格は320円となっている(今年1月段階)。

購買力平価の基本的な考え方である「世界中で売られている商品は基本的に同一の品質であり、したがって販売価格も原則的には世界共通」を参考にすれば1ドルはおよそ78.60円と等価になる。これは、本稿執筆段階で推移しているレベルときわめて近く、そうした意味では現在のドル/円相場は「ほぼ適正水準」と言えるのかも知れない。

なお、同様にユーロ圏におけるビッグマック価格を参考にするとユーロ/円の適正レートは93.00円となった。下げ過ぎが懸念されるユーロ/円相場だが、「ビッグマック指数」の観点からすると足もとはむしろ逆に円がまだ安過ぎる、と言えそうだ。

一方、アップルによる「i Pod(アイポッド)」の価格を参考にした「アイポッド指数」を取り上げると、米国の販売価格は今年4月段階で199ドル、それが日本では16800円だ。計算すると1ドルはおよそ84.40円、同様の計算でユーロ/円は90.80円となった。ユーロ/円については「ビッグマック指数」同様にまだ円が安過ぎると示されたことは非常に興味深い。(了)



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