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2012年08月01日
◎市場介入警戒感再び高まる

< 今年5月にも警戒感台頭 >

政府・財務省による円売り市場介入への警戒感が再び高まってきた。ちなみに、今年5月9日付の当欄でも「当局の市場介入警戒感台頭」---と筆者は一度報じているが、実弾介入が観測されることは結局なかった。

しかし、それから2ヵ月半が経過するなか世情も大きく変わり、そろそろ危険な時間帯に入ってきた感を否めない。では、当時となにが変わったのだろうか。

< ユーロ/円の円高進行、果たして容認できるのか? >

前回指摘した際、介入期待感が高まった大前提となっていたのは政府・財務省が注視している変動率だった。詳細は省くものの、変動率が経験則から考えて危険水域に達していたことが最大の判断材料となっていたわけだ。

しかし、昨年12月27日に米財務省が発表した『外国為替報告書』で、日本の通貨当局が同8月と10月に実施した円売り介入について「米国は支持しなかった」と明記していたように、欧米諸国は日本の市場介入を容認してこなかった。これが日本の市場介入実施に少なからず影響を及ぼしていた感を否めない。

欧米諸国による基本的なスタンスはいま現在でも変わっていないと思われるものの、先日来日したラガルドIMF専務理事は記者会見で「円相場は若干過大評価されている」「各国と協調したうえでの為替介入なら正当化できる」---などと一定の条件付きながら、介入を容認するスタンスを示している。これは画期的なことだろう。ある種のお墨付きをもらったことの意義は決して小さくない。

また、レベル的に見た場合にはユーロ/円で5月時より10円以上も円高が進んでいることは気掛かり。メーカーへのダメージが懸念される対ユーロでの円高進行を果たして容認出来るのか、要注目だ。(了)



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