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2012年06月20日
◎中銀が相場の撹乱要因に

< 新興国は積極的なユーロ売り >

一口に「需給」といっても様々あるが、ここ最近は中央銀行やそれに類するオフィシャルあるいはセミオフィシャルの動きがマーケットの撹乱要因として指摘されている。とくに新興国を中心とした中央銀行が積極的なユーロ売りに動いていることには注意する必要があるのかも知れない。

< 外準ポートを再変更、ユーロからドルにシフト >

中央銀行によるユーロ売りの背景には、いわゆる投機などの要素もなくはないが、多くの部分は保有する外貨準備のポートフォリオ変更と見られている。

周知のように新興国を中心とした中央銀行は、かつてドルのみに一極集中していた外準のポートを見直し、ユーロの外準を積極的に積み上げてきた。実際、こうしたことはIMF(国際通貨基金)のデータでも確認されており、例えば世界の中銀が外準ベースで保有する米ドルの比率は00年段階で70%を超えていたが、それが昨年6月末段階では60.5%となっており10%以上も急減していることが見て取れる。それに対して、同時期のユーロは逆に大きく比率を伸ばしていた。

しかし、そんなユーロ外準の積み増しが一服、風向きが変わった感を否めない。先に挙げたIMFデータで確認すると、11年6月末をボトムにドルの保有比率は反発、対してユーロは同月をピークに反落している。具体的に11年12月末のデータを挙げるとドルの外準は62.1%で半年前から1.6%比率がアップしている。ユーロからドルの外準へ再シフトしていたことはほぼ確実だ。

もちろん、こうした動きは11年の下期だけに留まらず、今年12年に入ってからも基本的には続いている。為替市場におけるユーロ安・ドル高の動きに寄与していることは間違いないだろう。(了)



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