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2012年06月06日
◎ボルカールール討論会を注視
< 31日実施、波乱要因に?! >
今週は月末・月初を含む一週間で需給的に要注意であるほか、材料的にも週末に発表される5月の米雇用統計を中心に注目とされる材料が少なくない。
そうしたなか、個人的には世間一般的にさほど注目度の高くないある材料を注視している。それは月末31日に予定されている「ボルカールール」に関する討論会だ。これが存外侮れない波乱要因になりかねない気がしている。
< JPモルガン事件の影響如何に >
ご存じのように、「ボルカールール」とは、米国のオバマ大統領より提案された銀行規制強化案のこと。細則はまだ決定されていないが、実施されれば商業銀行に対して投機的投資の実施制限が課せられ、自己勘定取引だけでなくヘッジファンドなどへの出資も禁止される可能性を否定出来ない、とされている。現実のものとなれば商業銀行の収益回復に大きなダメージが出ることは確実だ。
一方で、米商品先物取引委員会(CFTC)は最終案決定である7月を前に、今週31日「ボルカールール」の見直しに関する公開討論会を開催することになった。ちなみに、討論会にはベアー元連邦預金保険公社(FDIC)総裁、米系の大手金融機関やカルパース(加州職員退職年金基金)の幹部なども参加する予定となっている。
当初は先の討論会において規制反対派の巻き返しが期待されていたものの、最近になり米金融大手JPモルガン・チェースがデリバティブ(金融派生商品)取引で少なくとも20億ドル規模の損失を公表したことで、風向きが変わったとの指摘も少なくない。つまりは、「より厳しい規制が必要」---との向きが勢力を増しつつある感を否めない。
最終的な落とし所に向けた専門家の議論を注視している(了)
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