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2012年05月30日
◎混乱広がる欧州政治情勢
< ギリシャ総選挙の行方は? >
4月末の当欄で筆者が懸念を示したギリシャとフランスという欧州の選挙が現実の波乱材料として大きくクローズアップされている。
とくにギリシャは来月17日の再選挙が決定する一方で、ユーロ圏からの離脱が取り沙汰されるなど予断を許さない状況だ。「落とし所」は果たしてどこになるのだろうか。
< ユーロ圏離脱の可能性も低くない >
現地で報じられた世論調査の多くでは、サマラス党首率いる新民主主義党が支持を伸ばし始めており、強硬な反緊縮を主張している急進左派連合と拮抗し始めている。また、一部の調査では新民主主義党がリードしており、選挙戦を優位に進めているものもあるようだ。連立政権樹立に向けた明るい展望もなくはない。
しかし、前述した見通しは飽くまで好意的に解釈した場合で、もちろんそうならないこともありうる。仮に最悪のケースとなった場合はどうなるのか。
まず予測されることのひとつは、「金融機関の取り付け騒ぎ」で、これについてはすでに一部で萌芽が観測されている。たとえば英誌エコノミストでは、金融機関の預金残高はピーク時の7割程度まで減少している可能性について報じられていた。
預金の引き出しが今後さらに進むことも否定出来ず、それがギリシャ国内銀行の体力低下に繋がり結果としてギリシャそのものの信用力も低下、国債などの発行が儘ならなくなる可能性もないではない。
これがやがてギリシャのユーロ圏離脱に繋がる一因になるだけでなく、軍事クーデターのような事態を引き起こしかねないとの分析も観測されている。つまりは、「なにが起こっても不思議ない」のかも知れず、すべての事象を想定内としてリスク管理しておきたい。(了)
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