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2012年02月08日
◎ユーロ買い介入への期待

< 日本経済へのダメージなど勘案し実施も? >

本稿執筆段階では100円台で推移しているものの、一時は97円台まで急激なユーロ安・円高が進行していたこともあり、ユーロ/円での市場介入が市場筋の一部で話題となっている。

確かに欧州向け輸出比率が高い電機や精密機械メーカーなどを中心にユーロ安・円高のダメージで苦しんでいる先は多く、業績下方修正要因となりかねない。単なるレベル感だけでなく、日本経済に与えるダメージなどを勘案すると、早い段階での介入実施観測は「なるほど」と思わせる面もありそうだ。

< 日本の介入実施に冷淡な欧米諸国 >

一方、財務省が発表している「為替介入実施状況(外国為替平衡操作)」によると、日本の政府・財務省は99〜03年のあいだにユーロ買い介入を合計18回実施しており、チャートをもとに当時の介入水準をザックリ検証すると、03年には120円台などでもユーロ買い・円売りの介入をしていたと推察される。もちろん様々な意味で当時と相場を取り巻く環境が違うことは確かだが、経験則を基にすれば現行のレベルで介入が実施されても決して驚くことはないだろう。

しかし、昨年末に米財務省が発表した『外国為替報告書』では、日本の通貨当局が8月と10月に実施した円売り介入について「米国は支持しなかった」と明記されていた。また、今年1月19日付の日経新聞が報じたノボトニーECB理事のインタビューでは「ユーロ安は正常な範囲内」「日本の懸念は理解できるが、一方的な動きというのは明らかに時期尚早」などとコメントされている。

これら欧米のスタンスから勘案すると、日本の政府・財務省が本当に市場介入を実施出来るのだろうかという疑念は拭えないように思う。(了)



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