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2011年12月28日
◎波乱を感じさせる通貨OP

< 足もとボラティリティが急低下 >

通貨オプション市場におけるボラティリティ(予想変動率)が急低下している。ドル/円の一ヵ月物は先日8%を下回るレベルへと達してきた。ちなみに、07年以来の低水準だ。

ボラティリティの低下は先々の価格変動があまり期待出来ないと考えている人の多さを意味するものの、経験則からすると実は意に反して「相場大変動」の予兆になっていることが少なくない。クリスマスや年末年始などで参加者が少なくなる時期だけに、変動には逆に注意する必要がありそうだ。

< 「要警戒ゾーン」に到達 >

オプションのボラティリティが低下する要因は主に2つあるのだが、そのどちらの理由だったとしても、市場筋の多くが先行き大きな相場変動は期待出来ないと考えている向きが多いことが前提になる。

しかしながら、経験則からするとボラティリティの低下は逆に先行きの相場の変動を暗示することが少なくなく、専門家のあいだでは一ヵ月物の8%割れを「波乱のシグナル」、7・75%を下回るようだとさらに「大相場の前兆」へとランクアップすることが知られている。そして今回、単に8%を割り込んだだけでなく、「要警戒ゾーン」である7.75%割れも達成してきた。つまり、いまスグといったことではないが、先々の波乱の兆しがうかがえるということになろう。

では具体的にどの程度動くのか。過去のケースを参考にした場合、ボラティリティのボトムアウトを確認後、「平均一ヵ月で5円程度の価格変動をともなう」---などとする分析が一部外資系エコノミストによってなされている。

今回がそれに合致するものかどうかは判らないが、この年末からのドル/円相場は期待も込めて大いに注意を払いたい。(了)



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