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2011年11月09日
◎政府・財務省が介入実施

< しっくりこないタイミングだが・・・ >

政府・財務省は今週初めの10月31日に円売り介入を実施した。
安住財務相が緊急会見で明らかにしたもので、続けて「足元の為替相場は全く看過できない」「納得のいくまで介入を行なう」とのコメントも発している。

確かに、31日は早朝のオセアニアタイムにドル/円は一時75.31円まで下落し、戦後最安値を更新する局面も観測されていた。それからすると、当局が介入を実施したことも判らなくはないが、個人的にはどうもしっくりこない。ダブルスタンダードではないか---という疑念は筆者だけのものなのだろうか。

< 介入で「過度の変動」演出 >

理由は幾つかあるのだが、その最たるものは当局がもっとも警戒しているのは「過度の変動」や「投機的な動き」であることだ。

実際、31日の介入も「市場の投機的な動きに歯止めをかけるため」(安住財務相)とされるが、市場介入で早朝安値から4円以上も持ち上げる動き、それもわずか1時間ほどで暴騰したドル高・円安は「投機的な動き」と言わないのだろうか?
つまり、「投機的な動き」を起こしているのは、ほかならぬ当局ではないかと思うのだがいかがだろう。見解を是非とも聞いてみたい。

そしてもう一つの理由は、ドル/円は確かに戦後最安値圏にあったものの、ユーロ/円は100円割れを回避し反発していた。昨日の介入前は107円前後で推移するなど、それほど切羽詰まった状況にはなかったことだ。
別の言い方をすれば、市場介入を実施するタイミングなど過去に幾らもあったにもかかわらず、良く判らない時期に実施されたように思う。日本の当局による円売り介入の実施に強い難色を示してきた欧州がようやくOKを出したということなのだろうか。(了)



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