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2011年11月02日
◎再び安値更新もアク抜けせず
< 依然くすぶる下値不安 >
今週実施されるユーロ圏の首脳会議など欧州情勢をにらみつつ、間隙を突く格好でドル/円相場は先週末に一時戦後最安値を更新してきた。
そんな戦後最安値を更新する瞬間はいわゆるNY時間だったのだが、筆者はオフィスで仕事中。つまりモニターで、その瞬間をリアルタイムに見ていたけれど、とくにニュースもなく淡々としたなかでの記録更新だった。
そして、目先の底入れ後は戻りも早くアッと言う間に元のレベルに戻すと、その後は再び凪相場に。値動きからすると、到底アク抜けしたとは言えそうになく、いまスグに到来するかどうかは別にして、ドルの下値リスクはこのあともくすぶり続けることになりそうだ。
< 過度の介入期待感が底入れ遅らす >
以前から当コーナーで何度も指摘しているように、今年の為替市場は幾つかの意味で特異だ。過去に例を見ない相場、価格変動が続いている。
具体的な例はたくさんあるが、今年ぐらい「ドル/円の大底達成を記録しそうでしない」ことも珍しい。
「山高ければ谷険し」---という相場格言にもあるように、本来大きく突っ込めばその分の大きな戻りが期待出来る。しかし、今年のドル/円はチンタラとした値動きで、マーケット参加者の最後の断末魔がなかなか聞かれないことが底入れを先延ばしにしている感を否めない。
別の言い方をすれば、ドルロング筋がすべて投げ切り、敗者が「ゴメンナサイ」と謝ったところで流れが転換するのが通常の相場だ。けれども、今年はまだそうした展開になっていない。
理由のひとつは、過度な当局への介入期待だろう。政府・財務省による市場介入の功罪というものを改めて考えてみたい気がしている。(了)
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