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2011年10月26日
◎気掛かりな中国の外準

< スイス外準は介入で急増 >

ここ最近の日経新聞に外貨準備高関連で2つの興味深い記事が掲載された。
ひとつは15日付朝刊で内容は「中国の外準、ユーロ安で減少額最大」といった内容。もうひとつは17日付朝刊で「スイスの外準も為替介入で最高に」---といったものになる。

なかでも前者は08年以降中国が積極的に進めてきた外準に占めるユーロ資産のシェアアップが裏目に働いたことを示すものだ。政府要人などからは「積極的な欧州債購入姿勢を維持する」(9月28日・中国外務次官)などといった発言が目立つものの、外準の目減りが今後も続くようだと政策の転換などに繋がる可能性も否定出来なくなる。

< 中国の投資スタンス変化はあるか? >

17日付の記事にある「スイスの外準が2ヵ月で1.5倍に急増した」との内容は衝撃的だった。

周知のようにスイス中銀は対ユーロで目標相場を設定、それとともに設定レベルの維持のため断続的なドル買い・フラン売り介入を実施している。先に指摘した外準急増はそれにともなうものであることは間違いなく、スイス中銀の介入姿勢が垣間見えるものと言えそうだ。

一方、15日付で報じられた中国外準のニュースは、ある意味でスイスのケースより興味深い。
何故なら中国は人民元相場を低め誘導するため断続的なドル買い・元売り介入を実施していると見られるが、それにもかかわらず外準が減少しているからだ。つまり、単純に考えると、購入したドルの建て資産より、保有するユーロ建て資産の目減りがより大きかったのかも知れない。

ともかく、中国の場合には世界一の外準残高を保有しているだけに、投資スタンスの変化があるのかどうか、今後の動静が気にかかる。(了)



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