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2011年10月19日
◎ユーロ/円の介入期待

< ユーロ安が輸出企業に与える悪影響甚大 >

ユーロ/円における円高の進行が輸出企業の業績に大きなダメージを与えかねないとして懸念され始めた。

これは基軸通貨であるドルと違いユーロ建ての輸入をなかなか伸ばすことが出来ないためで、抜本的な対策を講じることが難しい。とくに短期では企業努力にも限界がある。

政府による対応に頼らざるを得ないという面が大きいということもあってか、マーケット参加者のあいだでは政府・財務省がユーロ/円での市場介入を検討している---などといった思惑も台頭しているようだ。

< 超円高の是正に動く? >

以前にも報じたことがあるが、政府・財務省が為替介入を実施する最大の目的は「為替レートの是正」になる。過度の変動を抑制したり、適正と思しきレベルへ修正したりすることが第一義になるが、それとともに日本の基幹産業である輸出企業の救済、「売り場」を提供するという意味合いも小さくない。

実際、ソニーの場合にはユーロ/円で1円の円高が進行した場合のダメージはおよそ60億円と言われている。想定レートと実勢相場の乖離が大きく業績への悪影響が懸念される状況下では、政府・財務省による「アシスト」が欠かせないのかも知れない。

そうした状況下、政府・財務省は多くの企業で中間期末に当たる9月末にかけてユーロ/円での介入を実施する---などと噂されていた。しかし、結局そのタイミングでの介入は実施されず。期待も一旦は萎んだが、ユーロ/円の実勢相場が依然として105円以下という超円高レベルで推移していることもあり、ここにきて思惑が再燃している。

むろん、一方で反対派あるいは懐疑派でも言うべき存在があるものの、個人的には必ずしも否定されるものではないという気がしている。(了)



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