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2011年09月28日
◎懸念されるユーロ安

< 日本企業も大きなダメージ >

急激な円高は足もと一服しているものの、流れそのものは依然として続いている。

そうしたなかドル/円における円高よりも、ユーロ/円における円高が懸念され始めた。また、政府・与党など一部から「円高メリット」に関するコメントなども聞かれているが、欧州企業に対するM&Aなどを除くと対ユーロでの円高メリットというのは決して多くない。

「鬼っ子」とも言える存在のユーロ/円などクロスの円高が今後ジワリと日本経済にダメージを及ぼしかねないのかも知れない。

< 電機などはユーロ安のダメージ大きい >

トヨタをはじめとする輸出企業は為替が円高に振れると大きなダメージを負うことで知られるが、いわゆる「感応度」でいうと自動車メーカーの多くはドル/円における円高ダメージが大きい。
それに対しソニーや東芝などの電機やリコーなどの精密機械メーカーはユーロ/円での円高ダメージが大きく、ドル/円以上の為替差損を被る企業もあるほどだ。

つまり、電機や精密機械メーカーにとってはユーロ/円の動向がより気掛かりと言えるわけだが、各社の想定レートを見てみるとおよそ110〜115円に集中しており、実勢相場との乖離が目につく。本稿執筆時に推移している105円程度のレベルが今後も続くようだと大きな業績下方修正要因となりかねない。

そのためドル/円以上にユーロ/円の動きを気に掛ける輸出企業も少なくないが、自社で出来る円高対応は意外に限られる。そのひとつは、海外から部品調達などでユーロ建ての輸入額をこのあと大きく伸ばすことは難しいためだ。

いずれにしても、ヒタヒタと進行するクロスの円高が企業業績に与える悪影響に細心の注意をはらいたい。(了)



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