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2011年09月14日
◎野田新首相への期待感

< 手腕未知数、イメージもまだ乏しい >

「ようやく」---と言ってよいのだろうか。支持率低迷などもどこ吹く風とばかりに完全無視を決め込んでいた菅首相だったが、在任期間452日、戦後の歴代首相32人の中で19番目という記録を残し、首相の座から去っていった。

そうしたなか、菅氏に続く第96代首相として野田前財務相が就任したわけだが、肝心の手腕といったものは未知数だ。筆者も政治アナリストなど幾人かと情報交換をしたものの、まだイメージが掴めていない。

とはいえ、早くも幾つかの外資系証券などから野田新首相で相場はどうなるのか、分析したレポートが出始めている。

< 速報では「中立」評価が優勢か >

筆者が幾つかのレポートを見た限りでは、「中立」から「ややポジティブ」といった結論が優勢だという気がする。

ちなみに、評価の理由については「短命に終わる可能性が高く、大きな期待は出来ない」「支持率低迷の菅内閣から変わるだけで高めの評価」---など、積極的なものではなく、どちらかというと後ろ向きのコメントが目につく。

また、その一方で野田首相は金融市場に「ネガティブ」との見方も少なくないようだ。これは先に実施された民主党の代表選に参加した5候補のなかで野田氏のみが明確な増税路線を指摘していたことが大きいと見られる。

ただし、増税にともなう財政再建への進展は、短期はともかく中長期的にはポジティブとの見方もある。周知のように有力格付け機関であるS&Pが今年に入って日本の格下げを何度か実施しているが、その理由のひとつが「財政および経済見通しの不透明性」だった。ハッキリとした道筋が付けられるかどうかが評価を分ける判断のポイントとなるのかも知れない。(了)



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