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2011年08月03日
◎ユーロの危うい状況続く
< 欧州財政問題への懸念が依然くすぶる >
ここ最近、マーケットの関心はユーロに高く、波乱含みだ。理由はいうまでもなく、ギリシャを中心とした一部欧州諸国の財政問題になる。
楽観論から悲観論へ、また問題が消えては浮上する---ということの繰り返しで傍から見ていると問題の根底は、ほとんど改善されていない気がするのは筆者だけの感覚だろうか?
一方で「制限時間いっぱい」の様相を呈してきた米国の債務上限引き上げ問題が存在するため容易にユーロ安が進行する地合いにないものの、実は相当危うい状況に陥っていると言えるかもしれない。
< 注目される欧州系金融機関の決算発表 >
先週末にかけてユーロ圏首脳はギリシャ向け第2次支援で合意をしたが、内容的にはあまり歓迎すべきものではなかった気がしている。
とくにギリシャ向け融資の返済期間を現在の7年半から最大で30年に延長する---というくだりはいかがなものか。飽くまで個人的な主観だが、実のところのデフォルト(債務不履行)ではないのかと思わなくもない。損失の先送りで、単にロールオーバーしているだけだと思いますが。
さて、そんななか今週個人的に注視しているのは欧州有力企業による4〜6月期の決算発表だ。フォルクス・ワーゲンなどの決算も要注意であるが、もっとも注意すべき先は欧州系の金融機関になる。
ちなみに、今週はドイツ銀行とスイス系のUBS銀行(ともに26日)、スペインのサンタンデール銀行、ポルトガル商業銀行(同27日)---etcが四半期決算を発表する見通しだ。
ドイツ銀行など欧州系の金融機関はギリシャをはじめとする欧州諸国に多額の債権を持っている。発表される決算は、そうした視点を中心にじっくりと吟味してみたい。(了)
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