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2011年07月13日
◎30年ぶりの「珍記録」

< 6月のドル/円は歴史に残る変動幅 >

「100年に一度」の金融危機や、「1000年に一度」の大地震など、ここ数年は想定外とも言える歴史的な出来事が決して珍しくない。

そんななか、為替市場でも30年ぶりという「珍記録」が出たことをご存じだろうか?

< 変動相場以降の最小変動だった可能性も? >

その珍記録とは、先日終了した6月のドル/円月間レンジ(値幅)だ。
筆者のつけているデータでは、6月の月間ドル高値は1日の81.50円で、月間の同安値は8日の79.70円となっている。つまり、6月は月間を通してわずか1.8円しか動かなかったことになる。

過去に遡って調べてみたが、筆者の保有している81年以降のデータでは94年12月に記録した月間最小変動幅を今回更新したことが判った。つまり、今年6月のドル/円相場は、少なく見積もっても過去30年でもっとも狭い変動幅を記録しただけでなく、場合によってはさらに歴史に遡った71年の変動相場制以降の月間最小変動だった可能性すら否定出来ないのかも知れない。

確かに6月の為替相場はギリシャの財政不安を中心としたユーロの動向にマーケット参加者の関心が集まりやすかったことは否めない。結果としてドル/円は「蚊帳の外」といった様相が多かったが、それを割り引いても歴史に残る小動きだったことがデータから証明されたことになる。

一方で、そんな6月相場を受けた7月相場がすでに始まっているわけだが、本稿執筆段階ではまだ先月の余韻を継いでいる。
ただし、いつまでも現状のような小動きが続くわけではない。方向性はさておき、そろそろレンジ放れへの危険性をしっかりと認識するタイミングにある気がしている。(了)



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