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2011年06月22日
◎菅政権は稀に見るダメ内閣か
< 就任一年で10円強の円高 >
菅内閣が発足してから丸一年が経過した。
その間の金融市場を振り返ってみると、東日本大震災など予想外の出来事もあり株価、為替とも低迷している。実際にドル/円相場を見てみると就任当日のNYクローズは91円台だったのに対し、一年後のNYクローズは80円前半。単純計算で10円以上の円高が進行している計算だ。
ドル/円の下落(円高の進行)を仮に「悪」とするならば、現行の菅政権は歴代内閣のなかでもワースト5に入る「ダメダメ内閣」である公算が大きいと言わざるを得ない。
< 「悪い円高」進行圧力継続 >
筆者が変動相場制移行の歴代総理とドル/円相場の変遷について調べてみた。
それによると、在任期間中にプラザ合意という「ドルの切り下げ」を記録した中曽根康弘氏をトップに、現在の菅直人氏のドル下落率はおよそ12%強で歴代6位となっている。菅氏がいつまで総理の座にしがみつくのか判らないが、今後さらにドルが下落するようだと、麻生太郎氏を抜き5位以上に順位を繰り上げる可能性もないではない。
もっとも、「良い円高」と「悪い円高」という言葉があるように、ひとくちに円高といっても悪いことばかりではない。良い面も持っている。
しかし、ここ最近の円高は果たして「良い円高」と言えるだろうか。日本の経済成長や発展などを期待したものであれば「良い円高」だが、到底そうした理由で円高が進んでいるとは思われない。これは、円高と同時に日本の株安も進んでおり、いわゆる「日本買い」に繋がっていないことからもうかがえる。
と言うより、個別に見た場合、実は今回ぐらい「悪い円高」が進行したケースはあまりない。菅内閣継続による「悪い円高」進行圧力はまだ続く可能性もある。(了)
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