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2011年06月08日
◎居心地良い81−84円台

< 「取引の価格分布帯」では >

今月5日に一時80円割れを示現しドル2番底の形成も指摘されたドル/円相場だったが、切り返すと足もとは揉み合い。目先の方向性は乏しい。

そんなドル/円相場の見通しについて、テクニカル分析の一つである「取引の価格分布帯」を参考に以下で考えてみたい。

< 求心力高いゾーンでの一進一退続くか >

以前から何度もレポートしているように「取引の価格分布帯」をごく簡単に説明すると、過去に取引のあった価格帯の滞空時間を集計しチャート化したもの。過去に「取引の多かった価格帯」はレジスタンスやサポートなどの節目になり易く抜けることが容易でない反面、「取引の少なかった価格帯」はあまり長期間留まることが予想し難くアッサリと抜ける傾向がうかがえる。

さて、そんな「価格分布帯」を見てみると、ドル/円の81−84円台は過去の取引が非常に多く求心力の高い「居心地の良いゾーン」にあたることが見て取れる。

振り返ってみると今年3月にドルは76円台まで下落後85円台まで急反発したものの、85円台はわずか1日のみの滞在で反落に転じるとその後は冴えない値動きをたどっている。後講釈と非難されるかも知れないが、「価格分布帯」的には「居心地の悪いゾーン」を上手く避けている値動きで、非常に理に叶ったものと言えそうだ。

いずれにしても、先に示したように足元で推移する81−84円台は非常に求心力の高いゾーンで、放れるにはかなりのエネルギーが必要だと思われる。ただ、逆に言えば一度放れると一気に値の飛ぶ展開も否定できないだろう。
そうした意味で現状は「嵐の前の静けさ」と言えるかもしれない。(了)



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