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2011年04月06日
◎95年と今年の類似性

< 地震、為替などが典型 >

金融市場の一部では今年と95年の類似性を指摘する声が聞かれている。

その最たるものは「地震」と「為替相場」で、前者については95年に阪神大震災が起こっている(1月)が今年はそれを上回る規模の東日本大震災が先日起こった。また、後者もドル/円がともに80円を割り込む大幅な円高が到来している。

< 重要出来事が集中した一年 >

筆者が調べてみたところ、95年は歴史に残る重要な出来事が幾つも重なって起こった一年だった。

先に挙げた2つの要因が典型だが、それ以外でも幾つか事例を挙げると「3月;地下鉄サリン事件(5月にオウム真理教の教祖、麻原彰晃こと松本智津夫逮捕も)」、「8月;兵庫銀行、木津信組が破たん(戦後初の銀行破たん)」「12月;福井県の高速増殖炉『もんじゅ』でナトリウム漏れ事故発生」---などとなる。実は掲載しなかったモノ、海外での出来事を含めると、ほぼ毎月にわたって重要な事象が起こっていた感すら否めない。

では、そんな95年の為替市場はどうだったのか。
前述したようにドル/円相場は一時80円を割り込んだ(4月)ものの、以降は当局の執拗かつ大規模な市場介入もあり、年末に向けては104円台を記録する局面も観測されている。つまり、安値からするとおよそ25円ものドル高・円安の進行だ。かなり急激なドルの戻りを達成している。

また、ドル/円ばかりに目が向きがちだが、ユーロの前身であるドイツマルクと円のクロスも大きな変動を記録していた。
足もとの相場を見ると、どうしてもユーロ主導の展開をイメージしたくなるが、類似性では意外に今年は「円主体」の一年であるのかも知れない。(了)



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