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2011年03月30日
◎ドルは大底を打ったのか?

< 市場介入で急反発したものの・・・ >

先週末の18日、緊急に実施されたG7電話会談で協調介入が確認され、スグさま東京のオープン時に当たる午前9時前後から政府・財務省による円売り介入が実施された。

それを受け、ドル/円相場は79円台から82円レベルまで一気に値を戻したわけだが、マーケットではこれでドルが大底を打ったのかという疑念の声も聞かれている。

< 条件からは「中期」の下値余地くすぶる >

日足のチャートを見ると、当局による円売り市場介入という人見的な要素ではあるがかなり長い下ヒゲに続き、実体部の非常にしっかりした陽線が記録されており、確かに下値を積極的には売りにくい雰囲気もうかがえる。一番底という意味では先日の76円台がある種の底値であった可能性を否定出来ない。

しかし、以前から当欄で何度か報じているようにドル/円の底入れには大きく3つの条件がある。簡単に列挙しておくと、次のようなものだ。

(一);円のマザーマーケットである東京タイムに円の高値をつける
(二);一番底で底入れせず、必ず二番あるいは三番底をつける
(三);ロング筋の投げを受けた市場の断末魔が聞かれる

これを今回に当てはめると、(三)については主観だが達成済みと言って良いかもしれない。しかし、(一)は円の最高値である76円台をつけたのが早朝の6時台で贔屓目に見ても東京タイムとは言えない。どう考えてもオセアニアタイムで、すなわち未達成だ。そして、(二)は当然未達成になる。

とすれば、短期的にはともかく中期スパンで見た場合には再び円高に振れ先日の76円台近くまで、あるいは同安値を再び更新する危険性もくすぶっていると言えそうだ。(了)



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