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2011年03月23日
◎動静よみにくい展開続くか

< 市場筋の見方もほぼ二分 >

ここからしばらくの為替市場は、動静の読みにくい展開をたどりそうだ。

詳細は下記で報じるが、筆者のヒアリングした限りにおいても、インターバンクディーラーを中心とした市場参加者の見通しもドル高とドル安で意見はほぼ二分されている。

< リスク管理は通常以上にしっかりと! >

静を読みにくくさせている最大の要因は、先週末11日に起こった宮城県を中心とした「東日本大地震」に絡めた様々な観測だ。

円高へのリスクを指摘する向きは、震災による被災者などへの保険金支払い増加にともなう対外資産の売却、つまり月期末に向け通常以上にリパトリが膨らむ可能性を予想している。ちなみに、先週末にドル/円が83円台から81円台まで急落した背景も、こうした思惑が主だったといわれている。

それに対して、逆に国内初の炉心燃料溶融を起こした福島原発による事故の被害状況によっては円安に振れかねないとの指摘や、計画停電を受けたトヨタをはじめとする日本の主要企業の操業停止などが日本経済に与えるダメージ影響も円安要因として懸念されている。さらに短期の要因ではないが、日本政府による国債の発行増加を懸念する声もあり、それらはすべて為替市場における円売り要因となりかねない。

しかし、いずれの結果にしても未曾有の事件であるために、当面はマーケットへの参加者がどう動くのか、手さぐり状況の相場が続く公算が大きいだろう。参加者の売買手控えにより流動性が極端に乏しい状況が続くことも予想されるだけに、取引をされる方はストップロスをキチンと置くなどして、思わぬ価格変動にも備えたしっかりと対処が臨まれる。(了)



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