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2011年02月23日
◎「知ったらしまい」の米債償還
< 円高要因と言うものの・・・ >
相場格言に「知ったらしまい」---と言うものがある。
ご存じの方が多いだろうが、ある材料が広く知れわたってしまったころには、すでに「織り込み済み」になってしまい材料としての価値が無くなることを示したものだ。
さて、そうしたなか最近2度ほど日経新聞で15日に予定されている米債の償還が取り上げられており、いずれも「円転観測から需給的には円高要因」などといったニュアンスで報じられていた。しかし、ドル/円の実勢相場は報道を前後して逆にドル高・円安へと振れている。
日経新聞で報道されると言うことは、前述した相場格言の「知ったらしまい」ということになるだろうか。
< 次は日本勢のリパトリ注意 >
長年為替市場に携わっている方であれば知っていることだが2、5、8、11月の米債償還は通常よりもやや多い。そして今月の償還を見てみると、15日に10年債の償還が230億ドルほど予定されていた。確かに通常月よりも金額的には多い。
しかし、当たり前のことだが230億ドルすべてを日本人が所有しているわけではなく、また償還される中から再投資される分もあるため、償還金のすべてが円転されるわけでもない。それからすると、本当に円高要因になるのかという疑念がそもそもないではない。マーケットで喧伝され過ぎである気もしている。
実際、過去数年の2月相場を調べてみると償還が実施される月の半ばに掛けて円高が進んだケースは07年ぐらい。あまり思いこまない方が勝率は良いのかも知れない。
一方、為替市場では次の需給要因として3月期末をにらんだ日本勢のリパトリが取り沙汰はじめた。こちらはまだ幾分「新鮮さ」を有している気がするのだが、果たして?(了)
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