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2011年02月09日
◎EFSF債は安全なのか?
< 「夢の商品」と言うものの・・・ >
日本や中国など世界の中央銀行がユーロ圏の支援に次々動き始めている。
そんな支援の一環として、先月25日に発行された総額50億ユーロのEFSF(欧州金融安定ファシリティ)債の2割程度を日本政府が購入したなどと報じられている。
ちなみに、EFSF債はユーロ圏加盟国の保証付きで格付けがトリプルAを誇るだけでなく、利回りもドイツなどを上回る。つまり、高い安全性に高い利回りという夢のような商品とも言われている。
< ハッキリしない格付け理由 >
しかし、ここで考えて欲しいのは「高い安全性に高い利回り」、つまり「ローリスク・ハイリターン」などという上手い話が投資の世界に本当に存在するのだろうか、ということだ。
もっとざっくばらんに言うと、筆者は大いに疑っており、少し調べてみた。すると、気になる点が早速ひとつ出てきた。それは「トリプルA」とされるEFSF債の格付けについての疑問になる。
なにが懸念されるのかというと、先にも記したようにEFSF債の格付けは「ユーロ圏加盟国の保証付き」なのだが、保証する加盟国すべてがトリプルAの格付けを有しているわけではない。とすると、何をもとに何の裏付けがあってトリプルAの格付けが保証されているのか、何を根拠に最上級の格付けがつけられたのかが実は良く判らないのだ。
もちろん、だからと言って即座に「危険」と断じるわけではない。しかし、多少怪しいニュアンスを感じたのは筆者だけだろうか。
また今回筆者の指摘しなかったところにおいても、思わぬリスクが潜んでいる可能性を否定出来ない。今後の起債や購入状況などを含め動静はしっかりと見極めたい。(了)
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