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2010年12月22日
◎個人の動意が波乱要因に
< かつてと異なる価格変動も >
古くからのインターバンク・ディーラーによると、ここ数年は為替市場の価格変動が以前とだいぶ異なるものになっているという。
理由は幾つかありそうだが、ひとつには米紙で「ミセス・ワタナベ」---などと称された日本の個人投資家の影響を無視できないのかも知れない。
< 過去2年の12月は大相場 >
かつて当欄でも指摘したことがあるように、利益を挙げているヘッジファンドやインターバンク・ディーラーの多くは11月後半の「サンクス・ギヴィングデー」を区切りに、以降一ヵ月近いクリスマス休暇に入る向きが多い。
これはすでに冬のボーナスが確定しているなか、無理をする必要がないからで、「やらなくても良い取引で損失を出したら目も当てられない」(あるインターバンク・ディーラー)からだ。つまり、平たく言えば「火中のクリを拾う」ような敢えてリスクを取る必要性がないと言えよう。
そんなことで、投機筋を中心とした市場参加者の減退により流動性が低下、かつては小動きに留まることの多かった12月相場だが、ここ数年は若干様相が異なる。事実、昨年は月間6・86円の価格変動で年間3位、前年である08年は同8・29円で同じく3位となっていた。
何故そうなったのか、明確な理由は判らないのだが、筆者は前段で指摘した日本の個人投資家の動きが無視できないように思っている。
そもそも個人投資家はインターバンク(=銀行)やヘッジファンド(=企業)などと異なり、決算期末といった要因に縛られることが少ないばかりか、逆に年末・年始休暇の期間などに帰省しない方たちは取引をする時間が通常よりも多くなる可能性すらある。
いずれにしても、年末・年始などの波乱要因である個人投資家の動きに十分注意を要したい。(了)
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