TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2010年11月17日
◎財務省の介入実施は一度だけ

< 9月15日、金額などは過去最高 >

今月8日、財務省が発表した「今年7−9月期の外国為替平衡操作の実施状況」で介入実績の詳細が判明した。

それによると、今年7−9月期の介入は9月15日に実施した「ドル買い・円売り介入」の一度だけで、金額は2兆1249億円となっている。ちなみに、一日の円売り介入額としては過去最大だった。

< 介入実施に欧米からの強い反発も? >

受け取り方は人それぞれだろうが、先に指摘した財務省のデータ、個人的には非常に驚かされた。

というのは、当コーナーでも過去にレポートしているように、筆者の場合には密かに「財務省が隠密介入を実施していた」---と考えていたからだ。しかし、少なくとも9月に関しては、その可能性が否定されたと言える。

ただ、とするなら別の疑問が湧いてくる。つまり、筆者が「隠密介入」と考えたドル下値で観測された「断続的な指し値買い」は一体なんなのだろうか。考えられるものとしては、別の公的資金であるように思われるが・・・。

その一方で、9月15日一度しか市場介入を実施していないのならば、野田財務相などが繰り返し指摘する「必要はときには断固たる措置をとる」---などといった発言もよく判らなくなる。根拠や背景などがまったくない、単なるブラフ(はったり)に過ぎないのだろうか。

それどころか、かつてG20会談終了後の会見で述べた「日本の為替対応については理解が得られている」---が実嘘っぱちで、欧米諸国の強い反発により日本の市場介入は実施出来ないように強くクギを刺されている可能性すらありそうだ。

いずれにしても、円高基調が早晩転換するような展開は見込みにくいと言わざるを得ないように思われる。(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved