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2010年11月03日
◎財務省介入、次の実施は?

< 基本的に「出来ない」公算が大 >

先週も報じたように、日本の財務省は9月15日に市場介入を実施したあと、一度も「公式」には介入を実施していない。

これについて、マーケットでは「敢えてしない派」と「したくても出来ない派」にわかれているのだが、常識から考えて前者はあり得ないと思う。断続的な「覆面介入」が実施されていれば話はまた別だが。

ともかく、いったい財務省が次に介入に動くのは、果たしていつなのか。80円割れあるいは79・75円のヒストリカル・ローを更新する局面ではさすがに動くのだろうか。

< 欧州諸国などの理解得られず? >

そうしたなか、先週末に実施されたG20会談終了後の会見で野田財務相は「日本の為替対応については理解が得られている」「依然として必要はときには断固たる措置をとる姿勢は変わらない」---などと、またもや威勢のいい発言を連発した。

しかし、25日付の日経新聞は今週末28−29日に実施されるEU首脳会議の議長総括原案の骨子について、「為替介入の回避」などの文言が盛り込まれる可能性を報じている。

つまり、単純に考えれば日経新聞の報道は野田発言を真っ向から否定したもので、日本の市場介入が欧州諸国などに本当に理解を得られているのかどうか疑念が残るものと言えよう。少なくとも、EU首脳会談前に波風を立てかねない市場介入を実施しにくい状況を示しているように思う。

野田財務相らによる口先介入、円高牽制発言は、口の悪いインターバンク・ディーラーに揶揄されている「断固3兄弟の“やるやる詐欺”」---に過ぎないのかも知れない。もちろん、「万にひとつの可能性」は否定出来ないものの、過度の期待を抱くのは馬鹿を見る気がしないでもない。(了)



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