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2010年10月27日
◎市場介入の功罪

< 介入が円高の長期化増幅か >

以前からたびたび指摘しているように、筆者は政府・財務省が9月15日に実施した市場介入を非常に高く評価している。あれだけ上手い介入は珍しいとさえ思う。

しかし、財務省はその後介入を公式ベースでは一度も実施していない。そして、唯一実施された市場介入が見事だったことが皮肉なことに逆へと作用、ここにきて様々なところに悪影響を及ぼしているようだ。

一部市場筋のあいだからは財務省による介入が円高の長期化を増長させる---などとした辛口のコメントも聞かれ始めている。

< 状況は当初より悪化の感も >

確かに見事だった市場介入なのだが、その後は完全に裏目に出ている感を否めない。

いったい何故か、理由は2つある。ひとつは「介入が一度しか実施されていないこと」で、次に「野田財務相らが介入の実施を期待させる発言を連発していること」だ。
つまり、野田氏や菅首相の強気発言を鵜呑みにしたが、実際の市場介入、「行動」は伴わず。その結果、介入が実施された9月15日以降ドルは緩やかな右肩下がりで、期待を裏切られた参加者は決して少なくない。個人投資家のなかには、討ち死にした先が非常に多いとの声も聞かれている。

一方、当初売り遅れが指摘されていた輸出企業も見事な市場介入で円安期待感が高まってしまい、噴き上がった85円台などでも積極的な為替予約を見送ってしまったという。結果、いまだに売り遅れの状況が続いている模様だ。

いずれにしても、効果の大きかった介入が実施され、かつ過大な期待感をマーケットに抱かせてしまったため、足もとの状況は当初よりさらに悪化している感も否めない。そんな四面楚歌の状況を果たして脱却できるのだろうか。(了)



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