TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2010年10月06日
◎介入効果剥げ落ちる

< ドル下値リスク再燃か >

久しぶりに見る財務省の見事な市場介入で息を吹き返したドル/円相場だったが、先週末に掛けて再び下値リスクが高まってきた感を否めない。

実際、先週末の日足を見ると1円を超える上ヒゲを記録した陰線引けで戻り売りの厚さが如実になったほか、市場介入という「力技」を受けて超えてきた移動平均の21日線をNYクローズベースで再度下回ってきた。

ちなみに、そんなドルの下値メドはフィボナッチを参考にすると年初来安値82・88円を起点とした上げ幅の61・8%押しに当たる84・05円で、割り込めば完全なる「行って来い」。100%押しレベルが視界内へと捉えられかねない。

< 市場介入の継続性如何に? >

そうしたなか、先週実施された日米首脳会談では日本の介入が実質的に黙認された感もある。少なくとも、通信社や新聞社情報でオバマ大統領などから表立った懸念発言は聞かれていない。

そのため、当局への介入警戒感は引き続き根強く、このまま84円や83円台を易々と割り込み前述した年初来安値をトライするようなドルの一段安が進むかどうかは微妙な状況にあるとも言えよう。

しかし気になるのは、一方で米下院歳入委員会が対中制裁法案を承認したことだ。改めて指摘するまでもなく、日本もG8などで米国と同じ立ち位置を共有していることから、「国際協調」といった観点からすると継続的な市場介入が難しくなったとの見方も出来なくはないだろう。

これまでは介入の継続性よりも日本の単独介入に効果があるのかどうかが問題視されてきたが、ここにきては実際に今後も日本政府・財務省の介入が実施出来るのかどうかという、一歩後退した議論がまずは注視されそうだ。(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved