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2010年09月29日
◎財務省侮るべからず

< 6年半ぶりのドル買い介入実施 >

9月15日、日本の財務省が6年半ぶりのドル買い市場介入を実施した。
この介入について現役ディーラーをはじめ、色々な方たちが新聞紙上などで様々な意見を述べているが、総じて評価が低いように感じているのは筆者だけだろうか。

しかし、筆者はまったく逆の意見で、今回ほど上手い介入は久しく記憶にない。財務省侮るべからずだ。

とはいえ、真価が問われるのはこれからになる。見事な先制パンチを浴びせた財務省の「次の一手」に大いなる期待をしたい。

< 事前準備万端、用意周到ななか実施される >

一部でも報じられているが、今回の財務省介入には布石が幾つかあった。そのひとつは、6年半のブランクから「市場介入」実施の現場を知らない担当者のために、溝口元財務官を密かに招き研修をお願いしていたことだ。つまり、水面下では着々と介入の準備を進めていたことになる。

同様のことは別のところからもうかがえる。あるインターバンク・ディーラーによると、市場介入慣れしていない財務省の担当者がいわゆる「口先介入」を実施するだけでなく、その内容も従来のレートチェックに加え「邦銀の為替介入担当ディーラーの帰宅時間を確認するなど細部にまで及んでいた」---という。

そんな用意周到ななかで実施された15日の財務省介入は2円を超えるドルの反発を見せ、円高は取り敢えず収束した。しかし、依然として予断は許さない。

その一方、米国下院歳入委員会のレビン委員長やユンケル・ユーログループ議長など、欧米の要人からは強い口調で日本の介入を批判する声が聞かれている。二の矢、三の矢を放たれなければ再び円高が進行することは確実な状況下、日本政府や財務省は今後も毅然とした態度で臨めるのだろうか。(了)



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