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2010年09月08日
◎政府に円高止める意思なし?

< 追加金融緩和などの効果薄 >

昨日、日銀が臨時の金融政策委員会を招集、追加の金融緩和を実施した。また、それに続けて政府も追加経済対策の基本方針を発表している。

その一方、為替市場に目を転じると円高は止まっていない。というより、対策発表後にむしろ円高が進行した格好だ。いったい何故なのだろうか。理由を色々と考えたが、遅れ馳せながらようやく判った気がする。

答えは簡単。「日本政府(日銀含む)に円高を本気で止める意思がない」からだ。

< 見えない本気の円高阻止姿勢 >

確かに新聞を中心とした事前の報道でかなりの部分が織り込まれ、発表された内容に新味がなかった。また、政府にしても日銀にしても財源などの問題から打つ手が限られていたことも事実だろう。
それらが失望を誘った面は否めない。

しかしながら、本気で円高を懸念し止める意思があれば、たとえ打つ手がなくてもその姿勢はマーケットに必ず伝わるもの。そして当局の真摯な姿勢は、積極的な円買いに動いていた投機筋などを怯ませる。これが本格的なトレンドの反転になるかどうかは別にしても、さらなる円高を抑制する一因にはなる。

ところが、今回は白川総裁の会見などを見ていると当局の姿勢に怖さがまったくない。これでは、ヘッジファンドなどがポジションを閉じる気になるはずがない。

想像すると、政府や日銀は足もとの円高について「日本の要因で起こっていることではない」「日本単独では止められるわけがない」---などと考えて取り組んでいる気がする。

ともかく一番やっていけないことは、場当たり的な対応で、それはときとして悪い流れを加速させる。今回の対応について、それに近い匂いを感じるのは筆者だけだろうか。(了)



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