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2010年08月25日
◎ドル底入れはまだ先か

< 「底入れ2条件」が未達成 >

以前レポートしたように、経験則に見てドルの底入れには「2つの条件」がある。具体的には以下のとおり。
(一);「その通貨のマザーマーケットでトップをつける」
(二);「一番底で底入れせず、二番あるいは三番底を必ずつける」

翻って、最近の相場を見ると、まず(一)の条件については達成してない。実際に今月11日に記録した年初来安値の84・72円は、東京時間の20時過ぎ、いわゆるロンドンタイムに記録している。

< 来月中に再度85円割れも? >

また、(二)についても微妙だが、未達成と考えて良いと思う。

確かにチャートを見ると前述した年初来安値をつける前、8月6日に85・02円を記録している。84・72円と併せダブルボトムという可能性もゼロではないが、実を言うと2つのレートを示現するまでの期間が短すぎる。ちなみに、この期間については「一番底を形成後、二番底を形成するまで出来れば一ヵ月程度の猶予が必要」だ。

いずれにしろ、先の84・72円が仮にボトム(一番底)であったとしても、来月中にもドルは再び85円割れを試すような下落をたどる可能性を否定出来ないことになる。

一方、こちらも以前に取り上げた「取引の価格分布帯」を参考にすれば、ドル/円の84円台はなかなか強いサポートであると同時に、ドル安方向に向けた最後のサポートゾーンにあたる。何故なら、84円以下のレートは過去に終値ベースでの取引がほとんどない「未知のゾーン」と言えるためだ。

したがって、84円台をNYクローズで容易に割り込んでいくとも思われないが、逆にいえば84円台をしっかり割り込むようだとなし崩し的なドル安の進行を否定できないことになるのかも知れない。(了)



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