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2010年08月18日
◎財務省人事と為替市場介入

< 担当部署に専門家揃う >

有力欧米紙であるウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先日、日本の財務省人事を取り上げ「為替専門家が配置に就く」などとした記事を配信、そのなかで日本の通貨当局による為替市場介入の可能性についての言及もしていた。

WSJが報じた内容を参考に、先日発表された日本の財務省人事について、以下で簡単にまとめておく。

< 効果ある市場介入の期待も >

財務官僚のトップと言えば財務次官になるが、7月30日付で勝栄二郎氏がそのポストに就いた。

そんな勝氏の経歴を見ると75年に大蔵省(当時)に入省し、為替政策を司る現場部署である国際金融局(現在は国際局)の為替資金課(同為替市場課)長を務めたこともある。実際に今後介入を実施するかどうかは別にして、為替に関して現場実務の経験を持つということは、効果ある市場介入実施の期待を抱かせる一因になるのかも知れない。

一方、財務次官に次ぐポストの財務官については玉木林太郎氏が留任したものの、前述した「為替政策を司る現場部署」の財務省国際局の人事を見てみると、新任の国際局次長には金融庁から戻る格好で山崎達雄氏が就任している。また、国際局の為替市場課長には大矢俊雄氏が起用された。

山崎氏と大矢氏のプロフィール、まず山崎氏は以前に国際局為替市場課長を勤め、03−04年などには大規模な円売り市場介入に最前線で携わっていた実績を持つ。それに対して大矢氏も国際金融局為替資金課の課長補佐として過去に勤務した経験がある。

ともに、為替・国際金融のプロであるだけでなく、市場介入など実際の為替政策について造詣が深い。WSJで書かれていたように今回の人事で「為替専門家が配置に就」いたことは間違いない。(了)



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