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2010年07月28日
◎ドル安クライマックスの行方

< 年初来安値更新、昨年安値が視界内 >

年初来安値86・99円を前に持ちこたえてきたドル/円相場が先週末ついに底割れした。一時86円台前半まで値を崩してきたことになる。

当コーナーでもたびたびレポートしているように、ドルはまだ下落する可能性を否定出来ず、その過程で昨年安値の84・80円を更新する展開も否定は出来ない。

しかし、仮にドルが安値を更新するにしても、それは別途レポートしている「ドル/円の5年周期」のボトム。つまり、今年に限らず今後数年に及ぶドルの大底となる公算が大きい。そうした視点から考えると、ここから追い掛けてのドル売りには慎重さが求められそうだ。

< 根強い中期ドル反発期待、断末魔はまだ聞かれず >

前述した「ドル/円の5年周期」説のほか、先週の当欄でもレポートした98年以降だけで3度記録されているドル下落局面における下落期間で今回が異常な長さを誇っていることなどを背景に、一部マーケット・アナリストの間では中長期ドル高見通しが根強く取り沙汰されている。

正直、筆者もそうした考えなのだが、一方で現場の為替ディーラーに聞くと、あまりにドル反発期待を抱かせるレポートなどの類が多くリリースされているため保有しているドルロング・ポジションをなかなかロスカットしない向きが多い、という。

つまり、レポートを読んだ個人投資家などは、いつかは反発して戻ってくると考えて、含み損を有しながら目先は我慢しているのかも知れない。

しかし、相場の末期というものは往々にして、投げが投げを呼ぶ格好で一部参加者の阿鼻叫喚、断末魔が聞こえるものだ。ところが今回はそれがまだ聞かれないし、当面聞かれそうにない。となると、ドル安クライマックスはまだまだ先なのだろうか?(了)



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