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2010年07月14日
◎月末に掛け円高進行リスク
< FX取引のレバレッジ上限規制導入が波乱要因 >
先週の当コーナーでは、6月末の「海外勢のポートフォリオ見直し」についてレポートしたが、同様にマーケットで注目されているもうひとつの「需給要因」がある。
それは、今年8月から実施されるFX為替証拠金取引のレバレッジ上限規制適応にともなう、個人投資家の強制ロスカットだ。50倍という上限が導入されることにより、それ以上のハイレバで取引されていたポジションは各取引会社によって強制ロスカットされることになる。一段の円高を支援しかねない要因として警戒する声も聞かれているようだ。
< 流動性枯渇のなか思わぬ変動も? >
いわゆる「FX取引」をされている個人投資家の方たちは当然ご存じだと思われるが、「金融商品取引業等に関する内閣府令」の一部が改正された。それにより、段階的に取引のレバレッジが引き下げられ、今年の8月1日からは上限が50倍(取引金額の2%以上の証拠金預託)となる。
「お上」からの通達を受けた各社の対応は若干のバラつきもあるけれども、ともかくレバレッジ上限規制を受けて、7月末に掛けてはハイレバで取引されていたポジションが強制ロスカットされかねないリスクを残すことになる。
また、仮に強制ロスカットは免れたとしても、ハイレバ投資をしていた個人投資家自身がレバレッジを自主的に引き下げることも予想される。そうしたポジションの巻き戻しも、やはり7月末に掛けてはマーケットの波乱要因となりかねないのかも知れない。
ただでさえ7月末といえば海外勢だけでなく本邦勢も夏休み、サマーバカンスを取り始める時期に当たる。市場参加者の減少によりマーケットの流動性が枯渇しやすい。今月末に掛けては思わぬ価格変動に是非注意を要したい。(了)
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