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2010年06月09日
◎年間変動率で見たユーロ下値

< 対ドルでは1・18ドル説も >

ギリシャの信用リスクに端を発し、ユーロが大荒れの展開をたどっている。

そんなユーロは対ドルで一時1・21ドル台、4年ぶりの安値圏まで下落し、市場の一部からはユーロ導入時の1・18ドル程度まで今後下落する可能性を指摘する声も聞かれはじめた。

いったいユーロの下値メドは一体どこになるのか、当稿では過去にも何度か取り上げた「年間変動率」を使用して対ドルそして対円の当面の下値メドを考えてみたい。

< 年内に限ればユーロはすでに底値圏? >

話を進める前に、まずはユーロ/ドルとユーロ/円の年間変動率ならびに、今年ここまでの両通貨ペアの変動について、簡単にお浚いしておく。

誕生来ユーロ/ドルは価格ベースで2135ポイント、率にして18・0%の変動を1年間の平均で記録している。また、ユーロ/円は2355ポイント(23・55円)、率では17・6%の価格変動が年間の平均だった。

それに対して、今年のユーロ/ドルそしてユーロ/円がどの程度変動しているのかというと、前者のユーロ/ドルが2400ポイント強、率にして約17%の変動を記録している。対する後者のユーロ/円は年初来2550ポイントの価格変動で、変動率は約19%になる。

つまり、ユーロ/円は年明けからわずか5ヵ月しか経過していないにもかかわらず、早くも過去の平均年間価格変動を上回っており、またユーロ/ドルもそれに近い変動をすでに達成済みということになる。

いずれにしても、過去の相場変動、平均の年間変動率を参考にすればユーロ/円、ユーロ/ドルともに年内に限ればここから一段と下落する展開は見込みにくいとさえ言えるのかも知れない。(了)



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