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2010年05月19日
◎「日本版SWF」構想再び

< 原口総務相が新聞で言及 >

先月末に朝日新聞で報じられた原口総務相のインタビューがマーケット参加者の一部で話題となっている。

話のキモになっているのは「郵貯・簡保資金で10兆円投資構想」であり、これはつまり文中でも語られているように、いわば「日本版SWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)」のことになる。
話題になっては、その都度立ち消えになることの多かった日本版SWF構想だが、「×度目の正直」で、今度こそは実現するのだろうか。

< 今回は「郵政マネー」が原資 >

ご存じの方が多いと思うが、SWFとは公的資金などの活用を目的とした政府系ファンドのことで、潤沢なオイルマネーをバックにした中東諸国のSWFは富に有名だ。

そんなSWFを日本に成立しようという動き、実は10年以上前からあるにはあった。たとえば、比較的最近の話をひとつだけ取り上げると、いまから2年前の08年5月には山本有二・元金融相を座長とした「検討プロジェクトチーム」が発足し、導入に際してかなり本格的に議論されたことが記憶に新しい。

そうした過去の議論と、今回の原口総務相の発言を比較した場合、明らかに異なるのは原資の部分だろう。過去の議論のほとんどは財務省の保有する外貨準備を活用するタイプのものだが、今回俎上にのぼっているものは簡保・ゆうちょ資金になる。これは筆者の知る限り、SWFの原資として初めて取り上げられるものになる。

しかしながら、いずれの資金であっても仮に運用が失敗した際の責任などの所在はどうなるのだろうか。そのあたりがまだ明確ではない。今回も過去のケースと同様に「大山鳴動なんとやら」---。結局上手くいかずに話が尻すぼみで終わる気もしないではない。(了)



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